vol.1

きっかけは「小田原を元気に!」見てよし、感じよし、食べてよし

 昨年2月に誕生した「小田原どん」はマスメディアにも取り上げられ、新しい小田原ブランドとして定着した。小田原の伝統と特産とおもてなしの心が詰まった逸品は、どのようにして出来たのか、その軌跡を追った。 「小田原どん」は「小田原を元気にしたい!」と市産業政策課が中心となって進めている「小田原ブランド元気プロジェクト」の一つとして立ち上がった。実行委員長には小田原市商店街連合会副会長の栗田康宏さんが就任。「小田原の特長を活かし、食を通した街の活性化を」の思いで立ち上げたプロジェクトは平成20年度、政府が募集していた「地方の元気再生事業」に採用され、一気に動き出した。

 「小田原でしか食べられない」と言う付加価値を幾つも盛り込んだ「小田原どん」。中身を盛る器は「小田原漆器」をオリジナルで製作。提供希望店舗は10店舗に限定し、新メニューの考案を含め、応募をかけた。

 一組8万円はすると言う「小田原漆器」は事業予算で提供店舗に進呈され、提供店舗は応募のあった15店舗の中から10店舗に絞られスタートを切った。

 滑り出しは上々。マスメディアで取り上げられたこともあり、観光客の評判も良かった。

6月には急きょ、2度目の募集が行われた。この時は小田原漆器の補助はなし。

小田原どんパンフレット

提供店舗が実費で購入することになっていた。それでも15店舗が手を上げ、さらに

10店舗で提供されることになった。「飲食店のやる気を感じた。また小田原どんが小田原を元気にしてくれると確信した」と栗田さんは手ごたえを感じていた。

 一気に高まった人気は、一方で、限定数での販売や比較的高めの価格設定など「小田原に居ながら食せない」と言う状況も生んだ。思わぬ反響に栗田さんは「小田原の活性化として、観光客を集めるきっかけになれば、との思いで始めた。地元の人には、丼が話題になることで、小田原に誇りを持てる食材が出来た、と応援して欲しい」と胸のうちを語った。

 

「タウンニュース小田原版」平成22年9月4日(土)号 掲載

 vol.2 未来の活性化に一歩前進 丼サミット誘致決定

 1月23、24日の2日間、石川県金沢市で「第1回全国丼(丼)サミット」が開催された。会場には、ご当地丼で地域おこしを行っている全国6都市の丼が集結。盛り上がる会場で、第2回の開催が小田原に決定した。

 サミットは、ご当地丼で町おこしを行う地域が、友好協定を結び、意見交換や交流を通じ、相互の発展と食文化の継承を図ることや伝統工芸・伝統文化を、全国へ発信し、地域活性化させていくことが狙い。

 第1回のサミットには小田原どんの他に、千葉県の『おらが丼』、和歌山県の『あらが丼』、愛媛県の『どんぶり王国宇和島』、大分県の『日豊海岸ぶんご丼街道』、石川県の『能登丼』が顔を揃えた。来場者は1万人を超え、6000食用意されたご当地丼の多くは、開場からわずか2時間ほどで完売した。小田原から参加した菜こんたんの『小田原・鯵のサクサク丼』とそば季寄 季作久『THE・小田原丼(そば屋風)』も午前中になくなる盛況ぶりだった。

 小田原どんを仕掛けた栗田さんは、第2回を小田原に誘致すべく、東奔西走する。もちろん理由がある。「単純に成功が見込めるからではなく、サミットを単発で終わらせないため」そして大きなイベントとのコラボレーションを青写真として描いていたからだった。

 9月30日(木)から10月3日(日)に小田原で開催される日本青年会議所(JC)の全国大会。期間中は全国から40歳までの若手経営者が集まる。その数は1万5千人とも2万人とも言われている。様々なイベントでもてなしたい小田原JCと、全国の人に小田原どんをPRしたい提供店舗側との思惑は一致。かくして小田原での開催誘致に成功。日程もJCの全国大会期間中の10月2、3日に決定した。

 全国的イベントの開催が決まったことで、「観光客」向けのPRに加え、地元への認知度アップが次の課題となった。

第1回全国丼サミット(金沢)での風景

「タウンニュース小田原版」平成22年9月11日(土)号 掲載

 vol.3 梅宮氏も応援、ニューキャラも登場

梅宮辰夫氏の小田原どん制作(左)と会場でのインタビュー

 まず、全国丼サミットを核事業とし、小田原の食と文化を全国に紹介する「ふるさと食の祭典」の開催を発表する。開催協議会には小田原JCのほか、小田原市、市商店街連合会、小田原箱根商工会議所、箱根物産連合会などが構成団体として名を連ねる。会長には小田原JCの吉澤芳之理事長が就任。加藤憲一市長、尾﨑紀昭商連会長、原義明商工会議所会頭が顧問となり、官民一体となったバックアップ体制が公になった。

 「ふるさと食の祭典」では丼サミットのほか、西湘地域2市8町のご当地グルメを集めた「ふるさとうまいもの市」を同時開催。小田原おでん、南足柄・まさカリー、湯河原・担々やきそばなど丼以外の食べ物も所狭しと並ぶ。また野外音楽イベントとしては県内最大級とも言われる「第4回ミュージックストリート」(3日のみ)を小田原駅周辺で、「第4回小田原映画祭」は小田原コロ

ナシネマワールドを中心に行われることも決まった。また、7月に小田原JCの記念事業「西湘フェスタ」で、新しい小田原どん提供店を決めるコンテストを開催。

小田原で開催される日本青年会議所(以下、JC)の全国大会との相乗効果を狙い、見事、誘致に成功した「全国丼(どんぶり)サミット」。双方の大会を盛り上げるため、官民一体となった協力体制が実現。畳み掛けるようにイベントが併催されることになった。

フェスタにはタレントの梅宮辰夫氏がゲストで参加、オリジナルの小田原どんを提供した(梅宮氏は丼サミットにもゲスト出演する)。会場となった小田原漁港には開始2時間前から行列が出来、小田原どんを求めて3000人が詰め掛けた。それは、石川県で行われた第1回の丼サミットを再現したかのような盛り上がりに、食の祭典の関係者は、10月の成功を確信した。

  全国丼サミット実行委員会の栗田康宏実行委員長は、次の一手として、丼サミットのオリジナルキャラクター「早雲」を登場させ、開催をあおる。小田原どんを片手に「早雲」が全国のご当地丼を迎え撃つ様子が、まもなく現実のものとなる。

「タウンニュース小田原版」平成22年9月18日(土)号 掲載

第2回全国丼サミットおだわら イメージキャラクター

vol.4 サミット直前!仕掛け人を直撃

 地元・小田原の活性化を目的に誕生した「小田原どん」。小田原を訪れるきっかけの一つになれば、と始まった動きは「全国丼(どんぶり)サミット」の誘致やキャラクターの作成など止まることなく新しい流れを作り出している。サミットを核事業に10月2、3日に行われる「ふるさと食の祭典」まで残り1週間。栗田康宏実行委員長に今の思いを聞いた。

「ようやくステッカーやのぼりが飾られ、少し活気が出てきました。残り1週間で街の空気が変わればと思います。

 今回の食の祭典は、5万人を動員目標にしています。全国や県西地域の「食」をキーワードに一堂に集めたイベントはこれまでになく、青年会議所の全国大会との相乗効果で、発信力がさらに増すと考えます。

 サミットの開催も小田原どんの誕生も「きっかけ」に過ぎません。これを出発点として行政や商業者、各種団体が一つにまとまり、新たに交流人口を増やすために小田原ブランドを発信していければと思います。

小田原市商店街連合会副会長

第2回全国丼サミットおだわら2010実行委員長

栗田 康宏氏

 今回、サミットにあわせて創作したキャラクターは、新しい層が小田原に興味をもってもらえればと考案しました。歴史、伝統、文化は大事に育てながら、新たなブランドを作る、キャラクターもそのきっかけになればと思います。根本にある思いは、街が元気になってほしい、それだけなのです。  おかげさまで小田原どんは観光客だけでなく、地域内での認知も進んで、市内のイベントにも呼ばれるようになりました。

 来年には、東京ドームで行われるふるさと祭りへの参加も視野に入れています。一人では出来ないことも皆と思いを共有していけば夢はかないます。小田原のために、そんな夢を持ちながら、輪が広がっていけばと願っています。」

 

「タウンニュース小田原版」平成22年9月25日(土)号 掲載

第2回全国丼サミットおだわら2010 D-7

おかげさまで大盛況!

10月2日(土)3日(日)と開催された“ふるさと食の祭典”は、おかげさまで大盛況のうちに幕を閉じることができました。予想をはるかに超える16万人の方々に来場していただきました。ミニ丼は売り切れ続出でご迷惑をおかけいたしましたが、小田原の活性化に繋げたいと願っています。ありがとうございました!

二の丸広場いっぱいの来場者

ミニどん購入で並ぶ来場者

売切れが続出

当日販売したミニどん

メインステージでは、吉澤小田原青年会議所理事長の開会宣言を皮切りに、北條太鼓のオープニングをはじめ、主催者である小田原市商店街連合会会長尾崎氏のあいさつ、加藤小田原市長、松沢神奈川県知事のあいさつがあり、ゲストに梅宮辰夫氏を迎え、トークショーやジャズライブなどが行われました。

開会宣言

小田原青年会議所 吉澤理事長

主催者あいさつ

小田原市商店街連合会 尾崎会長

加藤小田原市長あいさつ

松沢神奈川県知事あいさつ

梅宮辰夫氏によるトークショー

ジャズライブ

ふるさとうまいもの市も大盛況!

イメージキャラクター「早雲」を

着ているスタッフ

小田原市商店街連合会

栗田副会長の閉会宣言で幕を閉じました

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